心臓病診断治療

犬の心臓病では特に7才以上のチワワ・キャバリア・マルチーズ・トイプードル・ポメラニアン・ミニチュアダックスなどの犬種に心臓弁膜症がとても多くみられます。心臓弁膜症では、初期のうちは聴診で心雑音が存在するだけで無症状ですが加齢とともに徐々に進行し最終的に心不全に至るとしつこい咳や息苦しい症状が出たり、さらには肺水腫による呼吸困難や失神を起こしたりして命に関わることになります。猫の場合は心筋症と呼ばれる心臓病が多く、聴診だけでは発見できないことが多いため突然胸水による呼吸困難や血栓塞栓症で急変する場合があります。いずれの場合も心臓病を正確に診断し、症状の有無に関わらず心臓病ステージに応じた治療を行うことが大切になります。

このような症状の場合は当院へご相談ください。

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◎動いたり興奮したりすると咳が出たり、息切れを起こしたりする。
◎散歩に行くと疲れて息づかいが荒くなり、歩かなくなったりする。
◎最近ときどき咳き込むことがあり、寝てばかりいるようになった。
◎心臓が悪いと言われたことがあるが、詳しい病状を知りたい。


心臓病の検査

心臓病の検査

心臓病の検査は、必要に応じて様々な検査を組み合わせて行います。そのためにまずは問診を行い、ここ最近のペットの症状や行動などを飼い主様より詳しくお聞きしながら聴診器を使い心音や呼吸音に異常がないか聴診したり触診などの身体検査を行います。そして必要があればさらに精密検査を行っていきます。


レントゲン検査

2021年に新たに導入したFUJIFILM デジタルラジオグラフィ DRシステムによりレントゲン画質が飛躍的に向上し、心臓の形や大きさなどを正確に検査することが可能です。また、心臓病と関連のある肺や気管などの状態も同時に確認することができます。検査結果を専用モニターで見ていただき飼い主様にわかりやすく説明いたします。

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超音波検査

2018年に導入した超音波診断装置(キャノン Xario200V Platinum)を用い、心臓の内部の状態や心臓の動きを詳細に調べることができます。またドプラ機能を用い心臓の内部を流れる血流を詳細に調べることが可能です。

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心電図検査・ホルター心電図検査

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心拍数や心調律を検査して不整脈の有無を診断することができます。また心音入力することもできるため心音図の計測も可能です。 長時間心電図検査が必要な場合はホルター心電図検査をおこないます。
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その他検査

その他の検査としては必要に応じて血圧測定や血液生化学検査および心臓バイオマーカー検査などがあります。心臓バイオマーカーに関しては採血して血中濃度を測定するだけですので健康診断として心臓病の早期発見や心不全の重症度や予後を予測したり、心臓病と他疾患との鑑別などにも応用が可能です。

心臓病の治療

心臓病の種類や重症度および心不全に至っているかどうかによって治療方法は変わってきます。
一般的な治療法である内科治療では、血管を広げたり心臓の働きを良くするためのお薬を使用します。
その他にも利尿薬や不整脈の発症を抑える薬などが必要になることもよくあります。ただ多くの場合、原因を根本治療することは難しく症状や進行を抑えながらお薬を継続していく必要があります。
外科治療としては先天性の動脈管開存症(PDA)開胸手術のみ行っていますが、その他の心臓外科や心臓カテーテル治療などに関しては専門の施設をご紹介しております。